【持論】安倍総理が全世帯にマスク2枚を配布?経済対策と勘違いする国民が多すぎる
こんにちは。きつねです。
当ブログは美容・健康カテゴリーの記事を投稿していますが、こんな僕でも普段は法学を勉強している学生。
今回は賛否が多いタイムリーな話題について少しだけ触れたいと思います。
(※専門家ではないので間違ってたらごめんなさい。)
日本政府の新型コロナウイルスに対する経済対策が国民から注目をされています。
なかでも、昨日打ち出された『国民全員にマスク2枚を配布』する発表。
かなりの批判をSNS上で集めています。
しかし、政府のできる最大の努力だと考えています。
では、なぜ日本政府の新型コロナに関する対策が遅いのでしょうか?
原因は日本の予算体系にあると考えています。
日本の予算体系
国が一年間に使用する予定のお金を『本予算』と呼びます。
本予算は下記の3種類に分かれます。
本予算の他にも、予算が足りなくなった時に対応するための予備費。
予備費でも対応できない時のために『補正予算』と呼ばれるものがあります。
今回はキーポイントである本予算と補正予算について説明します。
本予算とは?
一会計年度(4月1日〜3月31日)の財政計画に基づいて作成される年間予算が本予算と呼ばれています。
8月末に各省から提出された概算要求を財務省が査定し、1月の通常国会で提出された政府予算案が審議を経て本予算が成立します。
この本予算は3月末日までに成立するように法律で定められています。
補正予算とは?
すでに成立した本予算に関して、経費の不足や予算作成後に生じた事由に基づき追加・変更を行うために作成されて議会に提出される予算です。
通常は予見し難い事由のために予備費の計上が認められていますが、
予備費でも対応できない時(社会情勢・自然災害)は議会の承認を得て成立します。
なぜ補正予算を作成する必要があるのでしょうか?
議会で成立した本予算は超過支出禁止の原則が課されているからです。
簡単にまとめると、本予算計上額以上の支出ができないということ。
今回の新型コロナウイルスによる経済政策の費用はここから支出される予定です。
今回のコロナウイルス対策では?
安倍首相は3月1日の新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、
2019年度予算の予備費2700億円超を活用することを決定しました。
実際には4月2日現在で19年度予算の予備費(2800億円)を使ったそうだ。
そして、今回決定したマスクの配布は20年度本予算の予備費が使われ、
必要な経費は20年度の補正予算に盛り込まれる方向で調整するそうです。
なぜ経済対策が遅いのか?
ここからは憶測が混じる意見になりますが・・・。
経済対策が遅い理由は20年度の本予算が関係しています。
今年度(20年度)の本予算は3月27日に成立しました。
補正予算は本予算が成立しなければ審議することができません。
そのため、政府は補正予算よりも本予算の成立を急ぎました。
なら、本予算に新型コロナの対策を組み込めば良かったのではないですか?
本予算内に新型コロナウイルス対策の費用を組み込めという声も聞きます。
しかし、やっと成立しかけた本予算の再議論する必要性が出てきます。
時期的に少し厳しいですよね・・・。
また、さまざまな政治問題(森友や桜を見る会など。)で野次を飛ばす野党が積極的に協力するとも考えられません。
以上を踏まえると、本予算に無理をして対策費を盛り込むのは非現実的です。
予備費を使いながら新型コロナウイルスに対する補正予算を組む方が良いでしょう。
本予算が成立した今、補正予算を10日ほどで成立できるように頑張っているそうです。
それなら、19年度の予算を使えばよかったのでは?
※ここからは完全な推測になります。
日本の予算制度には会計年度独立の原則や予算単年度主義の制約があります。
簡単にまとめると、予算を年度別でしっかりと区別しなさいというもの。
政府の対応策(マスク配布)が発表された4月1日からは20年度の本予算が使われます。
仮に19年度の予備費や補正予算で経済対策をしたと考えましょう。
しかし、成立した予算は会計年度をまたいで使うことができません。
そのため、諸外国に比べて経済対策が遅れていると考えています。
まとめ
マスク二枚という政府の対応にはネット上で賛否の声が溢れています。
しかし、SNS上で多く見られたのが政府の対応への批判でした。
特に多かったのが、
『経済政策がマスク2枚だけなのか!?』
『諸外国と比べて日本の対応がひどい』
というもの。
僕個人としては時期的にタイミングが悪かったのかなと考えています。
経済対策はまだこれからのようです。
今回の騒動でメディアよりも、政治への関心がない国民の方が怖いと感じました。
(特に拡散力など。)
政府の方々も忙しい中で頑張っています。
猛威を奮っている新型コロナウイルスの一日も早い収束を願っています。